彼の名を語る上で外せない転生点がある。ドラマ『美しい彼』で見せた平良一成役の怪演だ。吃音を持ち、無口で周囲に馴染めない青年が抱く、狂おしいほどの崇拝と執着。単なるボーイズラブの枠組みを軽々と飛び越え、純文学のような気品すら漂わせた演技は、日本中のみならずアジア各国でも社会現象を巻き起こした。
相手役を務めた八木勇征との呼吸は、奇跡的と呼ぶにふさわしいものだった。美しく傲慢な王として君臨する清居奏と、その足元にひざまずきながらも、時に支配欲すら滲ませる平良。『劇場版 美しい彼〜eternal〜』に至るまで、二人が紡いだ濃密な空気感は、計算だけでは到達できない魂のぶつかり合いそのものだった。あの作品で研ぎ澄まされた間合いと視線の交錯は、間違いなく現在の彼の骨格を形成している。