呼吸器専門医の臨床経験によれば、痰のカラーチャートは体内で進行している病態を客観的に把握する第一級の臨床情報である。まず透明や薄い白の痰は、アレルギー性鼻炎や風邪の初期症状として一般的だ。しかし、これが濃い黄色や緑色に変化した場合、気管支や肺胞で細菌感染が本格化しているサインとなる。緑色の原因は、好中球に含まれる酵素(ミエロペルオキシダーゼ)の色素であり、感染と免疫系が激しく戦っている証拠だ。
一方で、茶色や錆(さび)色の痰が出た場合は注意を要する。これは古い血液が気道内で酸化したものであり、重症の感染症や喫煙による気道粘膜の損傷が疑われる。さらに、黒色の痰は煤(すす)やタバコのタールの大量吸引、あるいは稀な真菌感染症を示唆する。ウェブの臨床症例データベースやYahoo!ヘルスケアをはじめとする医療・ヘルスケア情報ポータルでも、これらの色別の特徴は初期セルフチェックの目安として広く参照されている。