購入時のトラブルで最も多いのが、「思っていた味や食感と違った」というミスマッチです。この原因の多くは、店頭に並ぶみかんが青島温州と早生の違いを意識されずに混同されている点にあります。三ヶ日みかんには出荷リレーがあり、時期ごとに主役となる品種が完全に切り替わります。
三ヶ日みかんの旬と時期は、大きく分けて秋から初冬の「早生(わせ)」と、年末から春先にかけて流通する「青島(あおしま)」の2つのピークが存在します。10月下旬から12月中旬にかけて出荷される早生温州(宮川早生・興津早生など)は、果皮が極めて薄く、内袋(じょうのう膜)が口の中で溶けるような繊細な食感が持ち味です。酸味と甘みのバランスがフレッシュで、小〜中玉サイズが好まれます。
一方、12月中旬から翌年3月頃まで長期出荷される青島温州こそが、三ヶ日ブランドを揺るぎないものにした主役品種です。早生に比べて一回り大玉で、果皮が厚く扁平な平べったい形状が特徴です。特筆すべきは、収穫直後に出荷するのではなく、産地独自の「木造ロジ貯蔵庫」で一定期間寝かせる点です。果実の呼吸作用によって余分な酸味をじっくりと分解させ、濃厚な甘みと旨味を極限まで凝縮させる「熟成貯蔵」を経て市場へ送り出されます。