翔猿正也を語る上で欠かせないのが、木瀬部屋に所属する実兄・英乃海拓也(ひでのうみ たくや)との関係性です。二人は大相撲の長い歴史の中でも極めて珍しい、史上18組目の関取兄弟として知られています。
兄の英乃海は1989年生まれで、翔猿より3歳年上。幼少期から兄の背中を追って相撲の道を志した翔猿にとって、英乃海は最大のライバルであり、最も信頼する道標でもありました。部屋こそ追手風部屋と木瀬部屋で異なりますが、互いの取組結果を常に意識し合い、切磋琢磨してきた軌跡は多くの相撲ファンの胸を打っています。
「兄が関取に上がったときは本当に嬉しかったと同時に、早く自分も追いつかなければと強烈な焦りがあった」と当時の心境を取材で振り返っているように、兄弟でありながら互いを高め合う健全な競争意識が、翔猿の成長を大きく加速させました。本場所で幕内土俵に兄弟揃って上がり続ける姿は、角界における名物ストーリーの一つとして定着しています。