「聖心」というブランド名から、世間一般では豪邸に住む資産家令嬢や伝統芸能の家系ばかりが集まるサロンのような空間を想起されがちです。しかし、静岡県裾野市に位置する不二聖心女子学院の日常は、そうした華美なイメージとは大きく異なります。
敷地面積は東京ドーム約4.5個分(約21万平方メートル)に及び、校内には本格的な茶園や雑木林、富士山を望む雄大な自然が広がっています。生徒たちは入学直後から茶摘み体験や自然観察、環境教育に直接触れ、自らの手足を動かして学ぶ教育課程が組まれています。ブランド品を身にまとうような派手な交友関係ではなく、制服に身を包み、四季折々の自然の中で泥や汗を恐れずに活動する「質実剛健で温かな気風」が根付いています。
現場取材や卒業生の手記においても、「入学前に想像していたようなお高くとまった雰囲気は一切なく、むしろ虫を平気で捕まえるような素朴でたくましい仲間ばかりだった」という証言が数多く寄せられています。カトリックの「魂を育てる」教育方針のもと、他者への奉仕と自己の内面を見つめる時間が重視されているため、見栄や誇示を良しとしない文化が徹底されています。