大手旅行予約サイトやSNS上に寄せられた膨大な利用者の声・宿泊レビューを精査すると、絶賛の声が目立つ一方で、あらかじめ理解しておくべき実務的な課題やギャップも浮かび上がってきます。
旅行者の生の声として最も多く挙げられているポジティブな要素は、やはり景観と料理への圧倒的な満足度です。「露天風呂から眺めた朝日の神々しさに言葉を失った」「冬に訪れていただいた寒ブリ懐石は、脂の乗りと鮮度が段違いで感動した」といったコメントが多数を占めています。食事会場での手際の良さや、絶景を眺めながら静かに過ごせるラウンジ空間の心地よさも高く評価されています。
一方、一部の口コミで見受けられるのが「館内移動の導線」や「サービススタイル」に関する指摘です。宿の立地は海岸沿いの国道の脇、巨大な岩山にのしかかるように複雑な多層構造で建築されており、岩盤の上に本館の4階から6階が乗る特殊なレイアウトとなっています。そのため、フロントから客室、あるいは別館の岩風呂へ向かう際にエレベーターの乗り継ぎや階段の昇降が必要になる場面があります。
また、到着時の荷物運びや客室までの案内については、従来のフルサービス型和風旅館のように専属の仲居が付き添う形式ではなく、プライバシーを尊重したセルフ主体のスマートなオペレーションが導入されています。「スタッフが荷物を持ってくれなかった」と戸惑う声がある反面、「過度な干渉がなく気兼ねなく過ごせる」と歓迎する声も多く、宿泊者が求めるサービス水準によって受け止め方が分かれるポイントです。