音楽業界において、大規模なフェスや音楽特番で一般的に用いられるのが「音源被せ(バッキングトラックの併用)」と呼ばれる手法です。これは主旋律を歌わずに口を動かすだけの「口パク」とは根本的に異なります。
「アイドル」のように、1曲の中に膨大な言葉数、多重録音されたコーラス、キャラクターボイス的な掛け声が詰め込まれている楽曲では、物理的に人間1人の声帯だけで原曲の音圧を再現することは不可能です。そのため、ikura本人の生歌をメインにしつつ、サビのハモリや掛け声パートを同期音源(オケ)として流す設計が採られています。
かつてネット上の一部で「ikuraは生歌が下手なのではないか」という極端な噂が流れた時期もありました。これはデビュー初期の野外フェスなどで、極度の緊張やモニター環境(イヤモニ)の不調によりピッチが揺れた瞬間を切り取られたことが原因です。しかし、単独ドームツアーや海外フェス(Coachellaなど)での実績が示す通り、現在のikuraは激しいステージングでもブレない体幹の強さと卓越した発声技術を確立しています。