外見の変化だけでなく、観察者側の脳内心理プロセスも好印象を加速させます。ここで極めて重要な役割を果たすのが、社会心理学における「ゲイン・ロス効果(Gain-Loss Effect)」です。
人間は、最初から好印象を持ち続けている対象よりも、「控えめ・真面目・無難」といった初期評価から「実は目元が整った美形だった」という予期せぬプラス情報が提示された対象に対して、より強い感情の振れ幅と好意を抱く性質があります。
メガネというアイテムは、古くから「几帳面」「知性的」「冷静」といった記号的役割を付与されやすい傾向にあります。日常的にメガネ姿を見慣れている相手がふとそれを外す行為は、観察者に対して「普段は見せないプライベートな領域や素顔を垣間見た」という心理的親密感をもたらします。
この心理構造はエンターテインメント作品でも長年愛されてきました。『名探偵コナン』や『呪術廻戦』『黒執事』をはじめとする人気アニメ・漫画作品においても、普段メガネで素顔や戦闘力を封印しているキャラクターが、メガネを外す・破壊されることで本来の圧倒的なビジュアルや能力を解放する演出は鉄板の構成美です。
実社会の芸能界でも、普段バラエティ番組等でメガネをトレードマークにしているタレントや俳優が、ドラマやファッション誌のグラビアで裸眼を披露した際にSNSのトレンドを席巻するのは、まさにこのゲイン効果の作用によるものです。