新庄氏の口元が放つ異次元の白さには、明確な原点が存在します。それは阪神タイガースに所属していた24歳のオフシーズン、都内の審美歯科医院を訪れた際に放った「TOTOの便器みたいに真っ白な歯にしてください」という前代未聞のオーダーです。
通常の歯科医療において、歯の色を決定する際は「シェードガイド」と呼ばれる色見本を用います。日本人の天然歯はわずかに黄みを帯びた「A3」前後が多く、ホワイトニングや審美治療で最も明るいとされる自然なトーンでも「A1」や「B1」程度が限界値とされています。しかし、新庄氏が求めたのは、人間の骨や象牙質が持つナチュラルな透明感ではなく、陶器のような一切の濁りがない「完全な純白」でした。
担当医からは「そんな色にしたら不自然で浮いてしまう」と猛反対されたものの、本人は一切妥協しませんでした。彼にとって歯の白さは、周囲と同調するための身だしなみではなく、「大観衆の視線を集め、遠くのスタンドから見ても一瞬で新庄剛志だと分かるアイコン」でなければならなかったからです。この徹底した自己演出へのこだわりこそが、現在まで語り継がれる白さの原動力となっています。