ここで多くの人が思い浮かべるのが、「なぜ4月29日は昭和の日として祝日のまま残っているのか」という対比です。同じ元号の天皇誕生日でありながら、扱いが分かれた背景には歴史的な経緯があります。
1989年(昭和64年)1月に昭和天皇が崩御された際、4月29日はゴールデンウィークを構成する重要な休日であったこと、また自然を愛された昭和天皇にちなみ、即座に「みどりの日」として祝日に据え置かれました。その後、2005年の祝日法改正(2007年施行)を経て、激動の昭和を顧みる趣旨から正式に「昭和の日」へと名称が改められた経緯があります。
一方、平成から令和への代替わりでは、上皇陛下がご健在のまま譲位されたという決定的な違いがありました。崩御に伴う追悼や時代の回顧とは文脈が異なり、前述の「二重権威の回避」を最優先する必要があったため、即座に「平成の日」などの名称で祝日を新設することは見送られたのです。