矢作ダム貯水率の現状と渇水危機|取水制限や市民生活への影響を解説

矢作ダム貯水率の現状と渇水危機|取水制限や市民生活への影響を解説

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矢作ダムの渇水理由を読み解くには、上流域の降雨特性と下流の旺盛な水需要という「受給の構造」を理解する必要があります。主な要因として以下の3点が挙げられます。

第1に、上流山間部(長野県・岐阜県・愛知県境)における降雨量の絶対的不足です。冬から春先、あるいは梅雨期や秋雨期に前線や台風によるまとまった雨が降らない場合、流入量は一気に細ります。近年は短時間の局地的なゲリラ豪雨が増加する一方で、ダム流域全体を潤す持続的な広域降雨が減少する傾向があり、有効な貯水につながりにくい気象パターンが定着しています。

第2に、矢作川流域が抱える巨大な水需要です。矢作川は愛知県内の工業出荷額を支える工業用水道、広大な水田地帯を潤す明治用水などの大規模なかんがい用水、そして流域自治体の生活用水を一手に担っています。そのため、上流からの流入が止まると、ダムの貯留水は速いペースで消費されていきます。

第3に、河川環境を守るための維持放流の継続です。「ダムが渇水しているのに放流している」という矢作ダム放流ニュースを目にして疑問を抱く市民も少なくありませんが、下流の生態系保護や塩害防止のために最低限必要な水量は放流し続ける義務が定められています。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。