外資系IT企業に勤務する30代の日本人プロジェクトマネージャーは、自身の海外赴任初期の失敗談として「初年度の週次報告で、進捗遅れを挽回できなかった部下について『I scolded him』と同僚に話したところ、会議室が奇妙な沈黙に包まれた」と語っています。後に現地マネジメントから「scoldを使うと、マネージャーが私情で子供をいじめているように聞こえる。プロフェッショナルなら『I addressed the issue with him』や『We discussed performance improvements』と表現すべきだ」と手厳しく指導されたといいます。
SNSやビジネス掲示板(Redditや知恵袋など)を検証しても、「TOEIC高得点者なのに『上司に怒られた』を英語で言おうとして言葉に詰まる」「直訳しようとして受動態の迷宮に入り込む」という悩みが数多く見受けられます。多くの学習者が「怒られる=相手のアクションの被害に遭う」という日本語の発想に引っ張られ、英語本来の因果関係の叙述から遠ざかってしまっているのです。
英語圏の労働環境では、感情的な叱責そのものが「ハラスメント」と見なされるリスクを常に孕んでいます。そのため、当事者たちの会話ログを分析すると、怒られた事実を表現する際にも「何に対して注意を受けたのか」という論点(ミスや違反行為)にフォーカスする構造が確立されています。