楽曲を初めて目にした誰もが抱く最大の疑問、それが「君と羊と青 タイトル由来と真相」です。一見するとシュールレアリスム的な単語の並びに見えますが、この謎を解く鍵は漢字の合字(組み合わせ)にあります。
「君」の偏と旁(冠と脚)、そして「羊」という漢字を縦に重ね合わせると何という文字になるでしょうか。「羊」の下に「君」を置くと、「群」という漢字が完成します。ここに残された「青」を繋ぎ合わせることで、鮮烈な青色を指す「群青(ぐんじょう)」という言葉が浮かび上がる構造です。
この言葉遊びが単なる思いつきではない証拠が、本楽曲が2011年NHKサッカーテーマソングとして書き下ろされたという事実です。サッカー日本代表の象徴色である「サムライブルー(群青)」、ピッチを埋め尽くす芝の緑と青空、スタジアムを青く染め上げるサポーターの「群れ」、そして選手たちが駆け抜ける「青春」の青。あらゆる情景が「群青」という二文字に凝縮されています。
当時の音楽専門誌のインタビューにおいて野田洋次郎は、テーマソングの依頼を受けた際にサッカーという競技が放つ圧倒的なエネルギーやサポーターのうねりをいかに日本語で表現するかを熟考した旨を明かしています。ストレートに「群青」と名付けるのではなく、あえて「君と羊と青」へと解体して提示する手法こそ、作詞家・野田洋次郎の真骨頂であり、リスナーの好奇心を刺激し続ける最大の理由です。