核家族化が日本社会に突きつけた最も過酷な問題が、「ワンオペ育児の常態化」と「少子化の加速」です。
大家族であれば、祖父母が子どもの面倒を見たり、近隣の親族が家事を手伝ったりする分散型のケアが可能でした。しかし核家族では、パートナーの長時間労働や不在が重なると、一方の親(特に母親)が24時間体制で育児と家事を1人で背負い込むことになります。
この孤立無援の環境は、育児ノイローゼや産後うつ、児童虐待のリスクを大幅に跳ね上げます。「これ以上の子育ては精神的・体力的に耐えられない」という実感が、若い世代の出産意欲を削ぎ落とし、少子化を加速させる強力な要因となっています。
さらに問題は育児にとどまりません。親世代が高齢化を迎えた際、離れて暮らす子ども世代に重い介護負担がのしかかります。施設に入居できず、同居も難しい状況下で、老いた夫婦のどちらかが片方を介護する「老老介護」や、認知症同士の「認認介護」が日常化し、家庭内ケアの限界を迎えています。