家庭でみょうがをダメにしてしまう最大の要因は、野菜室での緩慢な劣化にあります。生のまま冷蔵保存した場合の日持ちはわずか3〜4日程度、キッチンペーパーで包んでポリ袋に入れたとしても1週間前後が限界です。これに対して、適切な処理を施したみょうがの冷凍保存期間はおよそ1〜2ヶ月にまで大幅に延びます。
みょうがを冷凍保存すべき理由は、単なる延命にとどまりません。みょうが特有の清涼感ある香りは「α-ピネン」などの精油成分によるものですが、これらは収穫直後から空気中の酸素に触れて徐々に揮発していきます。さらに、みょうが特有の鮮やかな赤紫色の正体であるアントシアニン系色素は、酸化や光によって褐色へと変色しやすいデリケートな物質です。
急速に凍結させて細胞内の水分子を固定し、密閉によって外気との接触を遮断することは、香りの揮発を最小限に抑え、鮮やかな色合いを長く保つための極めて合理的な手段といえます。鮮度が落ちてふかふかになってしまう前にすばやく凍結させることこそが、みょうが本来の持ち味を守る決定打となります。