SNSや大手Q&Aサイト(Yahoo!知恵袋など)を調査すると、「爪の端っこを爪楊枝でほじくったら白い塊が出てきて、嗅いだら気絶しそうなほど臭かった」「臭いと分かっているのに癖で何度も爪の垢を嗅いでしまう」といった告白が数多く投稿されています。不快感を解消しようと、爪楊枝、安全ピン、シャープペンの先端、あるいは指の爪を使って力任せに垢を掻き出すセルフケアが日常化している実態が浮き彫りになっています。
しかし、皮膚科医やフットケア専門外来の臨床現場からは、こうした乱暴な処置に対する強い警告が発せられています。先の尖った硬い物体で爪と皮膚の間を強くほじくると、目に見えない微細な傷(マイクロトラウマ)が容易に生じます。傷口から黄色ブドウ球菌などが侵入すると、爪の周囲が赤く腫れ上がって激痛を伴う「爪囲炎(ひょう疽)」を発症し、指先全体が化膿して歩行困難に陥るケースが後を絶ちません。
また、深部の垢を過剰に掻き出そうとして爪と指の肉をつなぎ止めている「ハイポニキウム(爪下皮)」を剥がしてしまうと、爪甲剥離症を引き起こし、爪と皮膚の間にさらに広大な隙間が生まれます。その結果、以前よりも大量のゴミや垢が溜まりやすくなり、悪臭が一段と悪化するという本末転倒の事態を招くことになります。