論争の原点となったのは、「そもそも辞書にはどのように記載されているのか」という根本的な疑問です。日本で最も権威ある辞書の一つとして親しまれている岩波書店『広辞苑』(第七版)において、「座り込み」および動詞「座り込む」は以下のように定義されています。
【広辞苑 第七版における記述】
・座り込み(すわりこみ):「座り込むこと。特に、要求を通すために、特定の場所に座って動かないで行う示威・ピケッティングなどの闘争形態。」
・座り込む(すわりこむ):「すわったまま立たないでいる。また、要求を認めさせるために、目的地や路上にすわり続けて動かない。」
この語釈を分析すると、要件として示されているのは「要求を通すための示威・ピケッティングなどの闘争形態」という目的性、および「特定の場所に座って動かない・立ち退かない」という物理的行為の2点です。ここに「1日24時間不眠不休で滞在しなければならない」という時間的拘束や、物理的な絶対連続性を課す文言は一切含まれていません。
他社が刊行する主要な国語辞典の記述と比較しても、この本質は共通しています。三省堂『大辞林 第四版』では「一定の場所にすわって動かず、要求の貫徹などを図る闘争手段」、小学館『デジタル大辞泉』では「要求を通すために、路上や目的の場所にすわって立ち退かない闘争形態」と記されており、いずれも「要求貫徹のための実力行使」に主眼が置かれています。