盛り塩は「どこにでも置けば良い」というものではありません。風水や民間信仰の文脈において、塩は周囲の気や湿気、さらには「邪気」を吸収・吸着する依代(よりしろ)として機能します。そのため、淀んだ空気や汚れが放置されやすい場所に置くと、吸収したネガティブな要素を空間内に留め置き、結果として盛り塩が逆効果になる理由を作り出してしまいます。
特に注意すべきNGエリアの代表格が、通気性の乏しい押し入れやウォークインクローゼットの奥です。空気が循環しない閉鎖空間に盛り塩を放置すると、塩が空気中の水分を吸ってドロドロに潮解し、カビの発生源やダニの温床に変化します。また、テレビやWi-Fiルーター、冷蔵庫の上など「電磁波と熱を発する家電の直近」も気の乱れを増幅させるため不向きです。
さらに見落とされがちなのが、足で蹴飛ばしやすい生活動線上の床や、ゴミ箱の真横といった不衛生な一角です。浄化のシンボルである盛り塩を雑然とした環境に置く行為は、空間心理学的にも住まい手へ無意識のストレスを植え付け、住居環境の快適性を著しく損なう結果につながります。