巨人がBクラスに甘んじる根本的な土壌を作ったのは、過去10年以上にわたる補強戦略の迷走です。球界関係者の間では「巨人のFA補強は両刃の剣」と評されて久しいですが、その副作用が顕著に現れたのが近年の陣容でした。
かつては他球団のエースや四番打者を大型契約で獲得することで戦力を維持していましたが、FA市場の成熟とともに「複数年契約を結んだベテランの衰えや度重なる故障」がチームの総年俸を圧迫。同時に、人的補償によって将来有望な若手投手が他球団へ流出する事態が相次ぎました。これにより、20代中盤から後半にかけてチームの主軸となるべき世代の層が極端に薄くなるという「世代の空白」が発生したのです。
一方で、球団が肝いりで導入した「三軍制」や育成選手制度も、投手の育成には一定の成果(戸郷選手や大勢選手の台頭)を見せたものの、野手の一本立ちには長年苦戦しました。ファームで圧倒的な打撃成績を残しながらも一軍の壁に跳ね返される若手が多く、坂本勇人選手や長野久義選手といったベテランの存在感に依存し続ける構造から脱却できませんでした。育成を優先すれば目先の白星を落とし、勝利を焦ってベテランに頼れば世代交代が止まるという、球団の根深いジレンマが低迷を長期化させた実態があります。