毎日の生活で頻繁に耳にする「晴れたり曇ったり」という言葉ですが、気象庁が発表する公式な天気予報のテロップ(発表文)には、実はこの文言は存在しません。気象庁における気象庁 予報用語 定義では、曖昧さを排除して防災情報としての正確性を担保するため、極めて厳格な語彙体系が組まれているからです。
では、テレビやラジオで気象キャスターが「晴れたり曇ったり」と表現するとき、空では何が起きているのでしょうか。これは主に「晴れ時々曇り」や「変わりやすい空模様」を、視聴者が直感的にイメージしやすいよう平易にかみ砕いた解説用語です。日差しが届いたかと思えば雲が広がり、また青空が戻るといった、日照と日陰が交互にめまぐるしく入れ替わるシチュエーションを指しています。
ここで押さえておくべき核心が、晴れ時々曇り 違いと晴れ一時曇り 違いの明確な線引きです。気象庁のルールでは、対象となる時間帯(例えば朝6時から夕方18時までの12時間)の中で、現象が起こる「時間の長さ」と「現れ方」によって完全に区分されています。
- 晴れ時々曇り:予報期間の中で、曇っている時間の「合計」が全体の1/2未満(断続的に雲が広がる状態)。晴れている時間の方が長いものの、何度も雲が日差しを遮る空模様。
- 晴れ一時曇り:予報期間の中で、曇っている状態が「連続」して全体の1/4未満(特定の時間帯にまとまって雲が出る状態)。例えば日中の数時間だけ雲に覆われ、それ以外はずっと晴れているケース。
- 晴れのち曇り:予報期間の前半が晴れで、後半に天気が曇りへと不可逆的にシフトする状態。
つまり、キャスターが「晴れたり曇ったり」と表現する場合、その多くは「晴れ時々曇り」に該当する大気状態を指しており、青空が主役でありながらも雲の動きが活発で、日差しが安定しない状況を分かりやすく伝えているのです。