大野智が活動休止を申し出たのは、2017年6月のことでした。当時のメンバー4人に「2026年をもって自分の嵐としての活動を終えたい」「一度何事にも縛られず、自由な生活がしてみたい」と胸の内を打ち明けたことが、グループ活動休止の引き金となりました。2019年1月の記者会見で見せた誠実な受け答えと、メンバー全員が彼を思いやる姿は日本中に大きな感動を与えましたが、その背景には極限のプレッシャーと表現者としての葛藤がありました。
1999年のデビュー以来、トップアイドルとして走り続けた大野は、自著や過去のロングインタビューで「自分の意志とは異なる巨大な波に飲み込まれていく怖さ」を度々吐露していました。歌もダンスも絵画も、常に完璧を求められる環境のなかで、自分自身のアイデンティティを見失いそうになる瞬間があったことは想像に難くありません。ネット上では「事務所との不仲」や「完全引退」といった過激な憶測も飛び交いましたが、真相は極めて純粋な「一人の人間としての自立と休息の希求」でした。
休止発表後、大野は「嵐をたたもう(解散しよう)」と提案したものの、他の4人から「休止という形にして、大野くんの帰る場所を残そう」と説得された経緯があります。この事実こそが、大野とメンバーの間に結ばれた揺るぎない絆を物語っており、彼が「退所」ではなく「休止」を選んだ最大の理由です。