重岡大毅という人間の底知れなさを語る上で欠かせないのが、「独学でマスターしたピアノ」と「プロ顔負けのボクシング」という、静と動の二大要素です。
重岡が本格的にピアノを始めたのは20代半ばを過ぎてからのことでした。驚くべきことに、彼は楽譜が一切読めない状態から自宅に電子ピアノを購入し、独学で演奏を習得しました。鍵盤の配置と和音の響きを耳と体で覚え、指に血豆を作りながらコードを叩き込み続けた結果、グループ屈指の名曲としてファンから絶大な支持を集める『間違っちゃいない』を作詞・作曲するに至ったのです。コンサートの巨大なステージで、汗を飛び散らせながら魂を込めてピアノを弾き語る姿は、単なるアイドルの枠組みを完全に超越したアーティストのそれでした。
一方、身体表現の根幹を支えているのが、長年ストイックに継続しているボクシングや格闘技のトレーニングです。多忙な撮影スケジュールの合間を縫ってジムに通い詰め、プロボクサーと同等のスパーリングや体幹強化を自らに課しています。主演を務めたドラマ『雪女と蟹を食う』(テレビ東京系)やアクションを伴う数々の作品で見せる鋭い眼光、無駄を極限まで削ぎ落とした肉体のキレは、この日々の鍛錬によって培われた本物の迫力です。