多くの視聴者が息を呑んで見守ったのが、主人公・青柳小春(満島ひかり)の命の行方と、バラバラだった家族の着地点です。夫・信(小栗旬)を不慮の事故で失った小春は、長女の望海(鈴木梨央)と長男の陸(高橋來)を抱え、過酷な労働に身を投じる中で「再生不良性貧血」という重篤な血液の難病に侵されてしまいます。国の難病指定を受けるこの疾患は、自力で血球を作れなくなる病であり、根治には骨髄移植が不可欠でした。
物語のクライマックスにおいて、ドナーの適合検査で唯一白血球の型(HLA型)が一致したのが、信の死の直接的な引き金を作った異父妹の植杉栞(二階堂ふみ)でした。姉に対する根深い嫉妬と罪悪感に苛まれ、自傷行為や引きこもりを繰り返していた栞と、最愛の夫を奪った存在を決して許すことができない小春。二人の間にある溝はあまりにも深く、簡単に「家族だから」と握手できる生半可なものではありませんでした。
しかし、最終話(第11話)で描かれたのは、安易な和解や感傷的な抱擁ではありませんでした。実母の植杉紗千(田中裕子)が必死に娘たちの間を取り持ち、栞は自己の罪と向き合う贖罪の意志として骨髄提供を決断します。小春もまた、我が子の成長を見届けたいという剥き出しの生への執着から、その骨髄を受け入れる覚悟を決めます。手術は無事に成功し、小春の骨髄では新たな血液が作られ始めました。
ラストシーンで印象的に映し出されたのは、奇跡的な大団円ではなく、どこにでもある穏やかな日常の風景です。退院した小春が子どもたちと手を繋ぎ、洗濯物を干し、他愛のない会話を交わしながら川沿いの道を歩いていく姿。劇中で小春が手紙に綴った「生きていくことは、ただ生きているだけで誰かを励ましている」という静かなメッセージが、観る者の胸に深く染み渡る結末となりました。