タワーレコード明石店が営業を終了した背景には、単なる一店舗の売上問題にとどまらない、音楽パッケージ業界全体の構造転換がありました。2000年代以降、着うたや音楽ダウンロード、そしてサブスクリプションサービスの台頭により、CDシングルやアルバムのフィジカル販売数は全国的に減少カーブを描き始めました。
こうした市場環境の変化に伴い、運営元のタワーレコードは「旗艦店・中核都市へのリソース集中」という経営方針を明確にします。明石店のように地方都市の商業施設内に出店していた中規模店舗は、JR新快速でわずか15分ほどの距離にある神戸・三宮エリアの大型拠点と商圏が重複していました。経営資源をより集客力の高い主要ターミナル駅へ統合する統廃合プランが、タワレコ明石撤退理由の決定打となったのです。
一部で囁かれた「施設とのトラブル」といった噂は根拠がなく、商業施設側のターゲット層転換(ファミリー層・生活必需品へのシフト)と、音楽流通のデジタル化という時代の波が合致した結果の円満撤退であったことが分かります。