本作の最大の魅力は、石井ふく子プロデューサー率いる「石井組」のオールスターキャストによる濃密な演技合戦です。誰が誰と繋がり、どのような思惑を抱いていたのか、登場人物たちの相関関係を整理しました。
下町コミュニティ特有の近所付き合いや、親戚以上の濃い人間関係が物語を力強くドライブさせています。
【ありがとう第4シリーズ 人間関係の構図】
【カレー屋「亀屋」】
・中山志津(演:京塚昌子):亀屋の店主。頑固だが深い母性で周囲を包み込む「日本の母」。
・中山愛(演:佐良直美):志津の娘。しっかり者だが母との価値観の違いに悩み、自立を模索する。
・従業員・下宿人たち:家族同然に暮らし、日々の騒動の発火点となる。
【愛をめぐる男性関係・若者たち】
・俊介(演:井上順):愛と惹かれ合う好青年。持ち前の明るさで亀屋の空気を和ませる。
・若者グループ(演:研ナオコ、音無美紀子、前田吟、沢田雅美 ほか):それぞれの職や家業、恋に悩みながら亀屋に集う。
【下町を見守る長老・友人・隣人】
・金田龍之介、大空真弓、山岡久乃、児玉清らが脇を固め、親世代の重みと哀愁をリアルに表現。
京塚昌子が体現する「昭和の母」の温かさと口うるささは、現代の視点で見ても胸に迫るものがあります。また、コミカルさと繊細さを兼ね備えた井上順の軽妙な演技、そして当時バラエティでも頭角を現していた研ナオコの哀愁を帯びた好演など、脇役の一人ひとりに至るまで丁寧な人生の陰影が書き込まれています。