この館の代名詞とも言えるのが、1枚の入場券で2本の作品を楽しめる「二本立て」興行だ。しかし、ただ作品を適当に並べているわけではない。映画同士の隠されたテーマ、監督の作風の共通項、あるいは時代を超えた役者の対比など、スタッフの緻密で遊び心あふれるプログラミングによって組み合わされている。
お目当ての1本を観に行ったはずが、思いがけずカップリングされたもう1本に心を強く揺さぶられる。選択肢が無限に存在する現代において、この「意図せぬ出会い」こそが最大の贅沢なのかもしれない。スマートフォンの検索履歴からは絶対に導き出されない未知の作品との遭遇が、ここには用意されている。