残業45時間の失業保険と有給消化|即もらえる退職日の決定打

残業45時間の失業保険と有給消化|即もらえる退職日の決定打

残業45時間の失業保険と有給消化|即もらえる退職日の決定打にまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

「残業が毎月45時間を超えていたから、自分は確実に会社都合扱いで失業保険がすぐもらえる」と確信している人ほど、退職直前の有給休暇の消化で致命的なミスを犯します。ここに潜むのが、有給消化と残業時間の算定期間がもたらす行政手続き上のタイムラグの罠です。

ハローワークが残業時間を審査する際、基準となるのは「離職日(退職日)の直前6ヶ月間」です。通常は各賃金締切日(給与計算期間)ごとに区切られた直前6ヶ月の各期間を精査します。ここで問題となるのが、失業手当の待期期間と有給消化の落とし穴です。有給休暇を丸々1ヶ月から2ヶ月分まとめて消化し、在籍期間を形式的に引き延ばして退職日を先の日付に設定した場合、有給消化中の月における時間外労働時間は当然「0時間」として記録されます。

具体例を検証してみましょう。例えば、ハードなプロジェクトで4月・5月・6月にそれぞれ50時間の残業を記録し、限界を感じて退職を決裁された会社員がいるとします。7月上旬に業務を引き継ぎ、溜まっていた有給休暇40日を全消化して「9月末退職」とした場合、直前の給与月はどうなるでしょうか。

離職日から遡る直前6ヶ月は「4月〜9月」となりますが、8月と9月は有給消化のため残業0時間、7月も引き継ぎのみで20時間程度に激減します。結果として「連続する3ヶ月で45時間超」という条件を満たす過重労働期間が、離職直前の審査枠から外れてしまうのです。これが給付制限なし退職日タイミングの真相であり、善意で与えられた有給休暇を漫然と消化した結果、自己都合の給付制限(1ヶ月〜2ヶ月)と受給日数の大幅削減という二重の損害を被る構図です。

さらに注意すべきは、在職中にはハローワークでの受給資格決定の手続きが一切行えない点です。「有給消化中にハローワークへ通って待期期間を消化しておこう」と窓口を訪れても、雇用関係が継続している以上、門前払いを食らいます。退職日をいつにするのか、有給を何日消化し、何日分をどのように配分して離職日を迎えるかは、受給資格の成否を分ける極めて戦略的な判断事項となります。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。