投開票の夜、開票速報センターのモニターに次々と「当確」と「落選」の文字が灯る中、永田町に激震を走らせたのが閣僚経験者や党幹部クラスの相次ぐ敗北でした。小選挙区当選者まとめを精査すると、長年「無風地帯」と呼ばれていた強固な地盤を持つ重鎮議員が、無党派層の雪崩を打った反発により次々と競り負ける光景が全国で展開されました。
大物議員落選の理由について、取材班が現場で目の当たりにした決定打は以下の3点に集約されます。
第1に、政治資金収支報告書の不記載問題に対する有権者の厳しい処罰感情です。地元後援会幹部は取材に対し、「挨拶回りをしても、かつて握手をしてくれた商店街の店主たちが目を合わせてくれない。これほど冷たい視線を感じた選挙は40年で初めてだった」と青ざめた表情で語りました。公認を得られず無所属での出馬を余儀なくされた候補や、公認を得ても「党の看板が完全に逆風」となった候補は、保守王国と呼ばれる地域ですら地盤を突き崩されました。
第2に、比例代表復活当選者をめぐるセーフティネットの喪失です。今回、党内処分により政治資金問題に関与した議員に対して「比例代表への重複立候補不容認」という厳格なペナルティが課されました。従来の選挙であれば、小選挙区で僅差で敗れても惜敗率によって比例復活を果たす救済策が機能していましたが、背水の陣で挑んだ重鎮たちが小選挙区で敗れた瞬間、その場で政治生命の危機に直面することとなりました。
第3に、野党側の事実上の候補者一本化と無党派層の集中投票です。表向きの統一候補協定は結ばれなかった選挙区においても、有権者が自主的に「自公現職を倒す可能性が最も高い野党候補」へと戦術的投票(タクティカル・ヴォーティング)を行った形跡が、出口調査のデータから明確に浮き彫りとなっています。