近年、福岡ソフトバンクホークスや読売ジャイアンツなどを中心に3軍・4軍制の導入が進み、育成ドラフトの重要性は飛躍的に高まりました。育成ドラフト指名基準は、支配下選手とは全く異なるベクトルで設定されています。
育成枠で求められるのは「現在の完成度」ではなく「特出した単一の身体能力(150キロを超える球速、規格外のスイングスピード、50メートル5秒台の俊足)」です。粗削りであっても、球団のトレーニング施設と栄養管理のもとで数年かけて化ける可能性を秘めた素材がピックアップされます。千賀滉大投手や甲斐拓也選手のように、育成から日本を代表するトップ選手へと駆け上がった事例は、このシステムが機能した最高峰の結実です。
球界の歴史を振り返ると、特定の年度にスーパースターが集中するドラフト会議歴代当たり年が存在します。例えば、名球会入り選手を多数輩出した1988年(野茂英雄、佐々木主浩ら)、超高校級の逸材が揃った2006年高校生ドラフト(田中将大、前田健太、坂本勇人ら)、そして令和の球界を牽引する2019年世代(佐々木朗希、奥川恭伸、宮城大弥ら)などです。これらの当たり年に共通するのは、各球団の育成方針と選手の資質が最高の形で噛み合い、同期同士のライバル関係が成長を加速させたという点です。