旅のスタートは、かつて因幡街道最大の宿場町として賑わった智頭宿から始まる。黒漆喰の町家や杉玉が掲げられた軒先を歩くだけで、時空を超えたかのような錯覚に陥る。格子戸の奥から漂う微かな薪の煙と、旅人を温かく迎える笑顔。タイムスリップしたような風情が、訪れる者の心を瞬時にほどいていく。
歴史散策を楽しんだ後は、いよいよ話題の森林セラピーゾーンへ。樹齢数百年を数える智頭杉の原生林に包まれた散策路は、足元に柔らかい針葉の絨毯が広がる。風が木々を揺らす音、鳥のさえずり、そして足元から立ち上るフィトンチッドの香り。専門ガイドとともに歩むこの特別ルートは、ただのハイキングではない。五感を研ぎ澄まし、日常のストレスを根底から解き放つ極上の体験だ。山あいの清流沿いで味わう地元の旬を詰め込んだ山菜弁当も、忘れられない旅の記憶となるはずだ。