ネット上のレシピ記事や動画で散見される「シリコン型はお手入れ簡単で万能」という言説には注意が必要です。シリコン素材は熱伝導率が極めて低いため、金属型と同じ温度・時間で焼くと、側面に焼き色がしっかりつかず、内側に火が通る前に上面だけが乾燥してしまいます。シリコン型を使用する場合は、通常より焼成時間を約10〜15%延長するか、設定温度を5〜10℃上げる調整が求められます。
また、「焼き時間を長くすれば生焼けは防げる」という安易なアプローチも危険です。必要以上の長時間加熱は生地内部の結合水を奪い、パサつきや縮みの直接原因となります。火通りを確認する際は、竹串を中心に刺して「ドロッとした生の生地が付いてこないか」を確認するとともに、ケーキ表面を指先で軽く押した際に弾力を持って押し返してくるかどうかの物理的感触を指標にしてください。