現場ではどのような葛藤が繰り広げられているのか。ある転職支援サービスのユーザーヒアリングに記録された、都内のアパレル店長からITソリューション営業へ転身した30代男性の手記には、対人職特有の生々しい実態が記されている。
「店頭に立っていた頃は、毎日100人を超える見ず知らずの来店客に気を配り、時には理不尽な返品要求やカスハラ(カスタマーハラスメント)に頭を下げ続けました。『人と接するのが好き』という純粋な気持ちは、1年も経たないうちに『明日はどんな理不尽な客が来るのか』という怯えに変わっていった。売上をいくら伸ばしても給与は上がらず、精神だけがすり減る毎日に限界を感じたのです」
この男性はその後、接客業から営業職への転職経緯を経て、BtoB(法人向け)の提案営業へと舵を切った。転職後の所感を男性は次のように語る。
「営業職も当然、人と関わる仕事です。しかし、個人向け接客と決定的に違うのは『ビジネスの対等なパートナーとして対話ができる点』と『論理的な提案が成果給(インセンティブ)として年収に直接還元される点』でした。関わる相手がスクリーニングされているだけでも、精神的なストレスは劇的に軽減されました」
ネット上の反応を定点観測すると、ネガティブな口コミの多くは「不特定多数の個人を相手にする低賃金なサービス職」に集中している。一方で、「ターゲットを絞ったBtoB職」や「自律的な裁量権がある専門職」においては、「誰かの課題を解決する実感が得られる」「感謝される瞬間が何物にも代えがたい」というポジティブな評価が根強く、職種の選び方によって体験が180度異なる実態が浮き彫りとなっている。