自由なお金が減ることで失われるのは、単なる購入力だけではない。それは自尊心や、日々の生活における「自分らしさ」の喪失に直結している。友人とのランチを一回断る。美容院に行く頻度を半年に一回に減らす。ドラッグストアで欲しかったプチプラ化粧品を手に取り、そっと棚に戻す。そうした小さな妥協の積み重ねが、精神的な疲弊を生み出していく。
「プチプラファッションの代名詞であるGUやユニクロでさえ、新作のシャツを買うのに10分以上悩んで諦めました」と語る30代後半の女性の声は切実だ。かつては気分転換だったはずの買い物が、今やストレスの種へと変貌している。自分のための出費が「贅沢」であり「無駄使い」であるかのような錯覚に囚われ、心が擦り減っていく構造がそこにはある。