バンドの核であり、ドラムとピアノを卓越した表現力で操るYOSHIKI。彼の圧倒的なカリスマ性と美意識が、X JAPANの方向性を決定づけてきた。そして、その唯一無二のハイトーンボイスで楽曲に魂を吹き込んだヴォーカルのToshi。幼馴染であるふたりの化学反応からすべては始まった。しかし、彼らが辿った道は決して平坦なものではなく、栄光の裏には常に壮絶な葛藤が渦巻いていた。
歴代のギタリストやベーシストの顔ぶれもまた、伝説の重みを物語る。創設期を支えた超絶テクニシャンであるベーシストのTAIJI、圧倒的なポップセンスとビジュアルでシーンを牽引したギタリストのHIDE、堅実なリズムギターでアンサンブルを支え続けるPATA、1992年に加入しエレガントなベースプレイを聴かせたHEATH、そして2009年に正式加入しヴァイオリンとギターの双頭でバンドに新たな息吹をもたらしたSUGIZO。この7人の天才たちが交錯した歴史こそが、バンドの真骨頂である。
リハーサル室で繰り広げられた音のぶつかり合いや、スタジオでの妥協なきミリ単位の音作り。YOSHIKIが描く緻密なクラシック的構成美と、各メンバーが持ち寄るロックの初期衝動が融合した瞬間、唯一無二のサウンドが誕生した。未公開の秘話として語り継がれるのは、スタジオでの張り詰めた緊張感の中で、HIDEが絶妙なユーモアで場を和ませ、PATAが静かに酒を傾けながらリズムを支えていたという日常の一コマだ。個性の異なる孤高のミュージシャンたちが、互いの才能を認め合い、命を削ってひとつの音を鳴らしていた。