服ではない。道具なのだ。
かつてファッションにおける「ワークウェア」といえば、ヴィンテージ古着の再解釈か、あるいは過剰なスペックを誇るアウトドアギアのどちらかに偏りがちだった。しかし、クリエイティブディレクター南貴之氏が手掛けるアプローチは、そのどちらとも異なる独自の平熱感を纏っている。
工業製品のような素っ気なさと、現代的なストリートの空気感。このふたつが見事に同居するデザインは、都市で暮らす人間の着こなしに心地よい抜け感をもたらす。洗練されているのに肩肘を張らない。この絶妙なバランスこそが、世代を超えて人々を虜にする最大の理由だ。