かつて怒涛の勢いでバラエティ番組に引っ張りだこだった水沢アリー。しかし、ある時期を境にテレビ画面から彼女の姿を見る機会は激減した。世間では引退説や重病説など様々な噂が飛び交ったものの、彼女が芸能界の表舞台から離れた本当の理由は「偽りの自分を演じ続ける限界を感じ、自分の力で生きていく基盤を作るため」という極めて主主体的な決断によるものだった。
カメラの前で求められる破天荒なキャラクターと、本来の真面目で落ち着いた自我との激しい乖離。それに耐えかねた彼女は、知名度や華やかな世界に対する執着を潔く捨て去った。一過性の消費物として扱われる恐怖と戦うよりも、己の価値を社会に直接還元できる道を選ぶための前向きな撤退だったのだ。