ブチャラティを単なる冷徹なギャングと決定的に分かつのは、その根底にある強烈な道義心と人間愛だ。組織の規律に従いながらも、麻薬に溺れる子供たちを見過ごせず、弱者を食い物にする構造に内心で激しい怒りを燃やし続けていた。
「吐き気をもよおす『邪悪』とはッ! なにも知らぬ無知なる者を利用する事だ……!! 自分の利益だけのために利用する事だッ!」
ボスの真の狙いを知り、組織への反旗を翻した瞬間に吐き出されたこの慟哭。それは、組織の利益や個人の保身のために社会的弱者を踏み台にする欺瞞への、痛烈な告発でもある。そして敵を撃滅した際に放つ決め台詞「アリーヴェデルチ(さよならだ)」。冷徹な制裁の裏に、自らが選んだ修羅の道に対する一切の甘えを排した、峻烈な覚悟が刻まれている。