展示室の扉をくぐると、まず目に飛び込んでくるのは、力強い造形美を誇る縄文土器の数々です。八ヶ岳南麓の金生遺跡や、甲府盆地周辺の集落跡から発掘された土器群は、美術品としての評価も極めて高く、国内外の研究者を唸らせてきました。とりわけ中期の勝坂式・加曽利E式土器に見られる立体的な把手や顔面把手は、生命力に満ちあふれた呪術的世界観を今に伝えています。
この施設が単なる地域の歴史展示館と一線を画しているのは、出土遺物が「点」ではなく「面」として体系化されている点です。旧石器時代の黒曜石製石器から、縄文時代の土偶・深鉢、弥生・古墳時代の青銅鏡や埴輪に至るまで、甲斐の地に生きた人々の精神史が連続的な文脈で展示されています。展示解説パネルや映像コンテンツも考古学の最新知見を反映しており、知的好奇心を刺激する工夫が随所に凝らされています。