「あいにく」は、「期待や目的に合わず、都合が悪いさま」「折悪しく間が悪いさま」を表す言葉です。自分の意志とは無関係に状況が噛み合わない際、相手に対して申し訳ない気持ちを滲ませながら伝える場面で用いられます。
日本語の文法上、主に以下の2つの形で機能します。
- 副詞的用法(あいにく〜):「あいにく本日は外出しております」「あいにく持ち合わせがございません」のように、後に続く動詞や状態を修飾し、事情を説明する前置きとして機能します。
- 連体詞的用法(あいにくの〜):「あいにくの雨」「あいにくの天気」のように、体言(名詞)に直接かかり、望ましくない状況や環境そのものを形容します。
手紙やビジネスメールの冒頭で用いるあいにくの天気・時候の挨拶(例:「あいにくの悪天候が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか」)は、季節や天候の不順を共有しつつ相手の健康を気遣う定型表現として、古くから親しまれています。