沖ノ鳥島を巡る最大の合意なき対立軸は、その法的位置づけにある。中国や台湾の一部主張者は、沖ノ鳥島は「人間の居住または独自の経済的生活を維持できない岩」であり、排他的経済水域(EEZ)や大陸棚を設定する根拠にはなり得ないと主張し続けている。これに対し、日本政府は国連海洋法条約(UNCLOS)の定義に基づき、満潮時にも水没しない自然に形成された陸地であることを根拠として、正当な島であり周囲にEEZを設定する権利を有すると一貫して反論してきた。
近年、中国の海洋調査船が日本の承認を得ずに同海域周辺で強行調査を行う事例が相次いでおり、実効支配の根拠を切り崩そうとする意図が透けて見える。国際法上の灰色地帯(グレーゾーン)を突くこうした動きに対し、日本側は法理に基づく主張を世界に向けて発信し続けると同時に、現場での監視体制を強化せざるを得ない状況に追い込まれている。