「流星観測の最大のコツは、とにかく両目を夜空の暗闇にしっかりと慣らすこと。そしてスマートフォンなどの強い人口光を極力視界に入れないことです」そう指摘するのは、国立天文台の上席教授であり天文学の普及に長年尽力してきた渡部潤一氏だ。国立天文台が長年推奨してきた「肉眼での全天観測」は、デジタル技術が高度化した現在においても依然として最も確実で贅沢なスタイルと言える。
日本国内で空を見上げる文化が若者層へ浸透した背景には、新海誠監督によるアニメーション映画『君の名は。』の大ヒットも記憶に新しい。作中で緻密に描かれたティアマト彗星の情景は、多くの人々の心に星空への憧憬を刻み込んだ。スクリーンの中で描かれた圧倒的なスケール感は、今もなおリアルな天体観測への強い情熱となって受け継がれている。