この怪奇的なイメージの増幅に一役買ったのが、ロマン主義やエロティシズムを描いた作家たちである。『三銃士』などで知られるアレクサンドル・デュマは、歴史の暗部をスリリングに描写する手法を得意とし、読者を惹きつける小道具として陰惨な拷問の描写を取り入れた。
さらに、禁忌とサディズムを追求したマルキ・ド・サドの著作群も、人間の肉体に対する過激な拷問イメージを決定づける大きな要因となった。彼らが描いた凄惨で退廃的な文学世界は、大衆の脳裏に「中世=凄惨な道具が横行した時代」という幻想を深く焼き付けることとなったのである。