プレハブやプレファブリケーションの文脈を語る上で欠かせないのが、世界的な建築家・坂茂氏による革新的な取り組みだ。再生紙を利用した紙管(紙のパイプ)構造や軽量なプレハブシステムを用い、世界各地の被災地支援や仮設住宅、あるいは恒久的な建築を手がけてきた実績は、プレハブという手法が単なる「コスト削減」を超えた高度なデザイン性と構造的合理性を持ち得ることを証明した。
坂氏の思想に通底する「軽量かつ強固、そして無駄のない美しいモジュール」という概念は、現代のプロダクト型住宅にも強く影響を与えている。無機質な現場作業ではなく、プロダクトデザインの領域へと昇華された現代のプレハブ住宅は、ローコストでありながら洗練された住空間の実現を可能にしている。