タイガースにとって、スクーバルはチームの象徴であり、登板すれば勝利をほぼ手中にできる絶対的存在だ。最速100マイルを超えるハイファストボールと、右打者の膝元へ鋭く沈むチェンジアップのコンビネーションは、まさに現代ベースボールの到達点と言っていい。
しかし、FA(フリーエージェント)権利獲得までのタイムリミットが迫る中、チームの再建フェーズと巨額の契約延長リスクがフロントの首を絞めている。財政規模の限られた球団にとって、彼の市場価値が最高潮に達している今この瞬間に、未来の黄金期を支える若手有望株を大量獲得すべきだという冷徹な計算が働く。ファンにとっては悪夢のようなシナリオだが、ビジネスとしてのMLBにおいては至極合理的な選択肢なのだ。