「あなたの声に惹かれました」「専属モデルとしてスカウトしたい」――InstagramやX(旧Twitter)、TikTokのDMに届く甘美なメッセージには細心の警戒が必要です。ライバー事務所スカウトDMの注意点として、送信元のアカウントが使い捨ての捨て垢ではないか、具体的な法人名や固定電話番号、コーポレートサイトの存在が確認できるかを必ず調査してください。
現場取材で見えてきた深刻な課題が、ライバー事務所契約トラブルと違約金を巡る泥沼の係争です。典型的な手口として、以下のような不当条項が契約書に潜伏しています。
- 法外な契約解除金条項:「契約期間中の自己都合退任は一律100万円の違約金を支払うものとする」といった、実損害額から著しく乖離したペナルティ設定。
- アカウントの所有権剥奪:所属期間中に開設・育成した配信アカウントの所有権が事務所に帰属し、退所時にアカウントを強制削除または引き渡しさせられる規定。
- 過度な競業避止義務:退所後1年〜2年間は、他社事務所への所属はもちろん、個人としての配信活動全般を禁止する条項。
経済産業省の「フリーランス・事業者間取引適正化等法」の施行以降、優越的地位の濫用に対する監視の目は厳しくなっていますが、個人が泣き寝入りする事例は依然として存在します。契約書にサイン・電子署名を行う前に、弁護士や公的な相談窓口(法テラス等)へ条項の有効性を照会する慎重さが求められます。