熊本市中央区下通1丁目の中心部に位置していた「一蘭 熊本下通店」が営業を終了したのは2026年5月17日のことでした。当時、公式発表として「諸般の事情」による閉店とアナウンスされたことで、ネット上やファンの間では「採算悪化だったのか」「熊本の地場ラーメン文化に敗れたのか」など様々な憶測が飛び交いました。
飲食業界関係者への取材や当時の出店環境を振り返ると、最大の引き金となったのは2026年春の新型コロナウイルス感染拡大に伴う都市型繁華街の機能停止です。熊本下通店は、夜間から翌朝まで営業する繁華街特化型のビジネスモデルを採用しており、周辺の居酒屋やバーを利用した後の「締めの一杯」を求める深夜客や、国内外からのインバウンド観光客が売上の大きな柱となっていました。
緊急事態宣言の発令に伴う夜間外出自粛やインバウンドの完全消失により、繁華街の通行量は前年比で80%以上落ち込む壊滅的な打撃を受けました。さらに、中心市街地の一等地ならではの高いテナント賃料負担に加え、ちょうど店舗の定期建物賃貸借契約の更新時期が重なったことが決定打となり、ブランド全体のポートフォリオ最適化を図る企業判断として撤退が選択されたというのが実態です。