『もののけ姫』タタラ場のモデルと裏設定を徹底解剖!エボシの真意とその後

『もののけ姫』タタラ場のモデルと裏設定を徹底解剖!エボシの真意とその後

『もののけ姫』タタラ場のモデルと裏設定を徹底解剖!エボシの真意とその後の全貌を丁寧に掘り下げてご紹介します。

タタラ場を統率する指導者・エボシ御前は、武士や大名、さらには神々の脅威に屈しない傑出したカリスマとして描かれます。しかし、彼女が集落に集めた人員構成には、当時の封建社会の常識を覆す驚くべき裏設定が存在しました。

劇中のタタラ場では、下界の遊郭から買い戻された女性たちが誇りを持って巨大な送風装置「踏み鞴(ふみふいご)」を踏み、全身を包帯で巻かれた病者たちが集落の奥で新兵器「石火矢(いしびや)」の開発を担っています。

宮崎駿監督は後年の公式インタビューや講演において、集落の奥で寝たきりになりながら鉄を加工していた人々について「ハンセン病(らい病)の患者たちを念頭に置いて描いた」と言及しています。中世の日本において、不治の業病と恐れられ、家族からも社会からも完全に隔絶された人々に対し、エボシは自ら手を差し伸べ、包帯を取り替え、人としての尊厳と生きるための役割(労働)を与えました。

また、男尊女卑が色濃い時代に、女性たちに「男の仕事」とされていたたたら製鉄の過酷な炉前作業を任せ、対等以上の発言権と居場所を保障しました。エボシ御前がタタラ場を切り拓いた真の理由は、単なる鉄の利権掌握ではなく、「弱者や被差別民が誰にも脅かされず、自給自足で生きていける絶対的な自治領(アジール=避難所)」を創出することだったのです。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。