一人暮らしを始めてからわずか数カ月後の2014年7月26日、少女は自身のマンションに高校の同級生を誘い出し、背後から工具で殴打したのちに命を奪うという凶行に及びました。「人を殺してみたかった」「解体してみたかった」という常軌を逸した供述は、社会に底知れぬ恐怖を与えました。
家裁での審判に向けた精神鑑定の結果では、少女に自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害と愛着形成の著しい偏りが認められました。事物の善悪を判断する知的能力は高いものの、他者の痛みに共感する感情が著しく欠落した状態にあったと結論付けられ、長崎家裁は少女に対して刑事処分(逆送)ではなく、医療的ケアを施す第3種少年院(医療少年院)送致を決定しました。
一方、事件発生直後から父親を取り巻く環境は地獄と化しました。「なぜ金属バットで襲われた時点で警察や医療機関に委ねなかったのか」「なぜ一人暮らしを放置したのか」といった猛烈なバッシングが殺到し、弁護士としての社会的信用は失墜。被害者遺族への底知れぬ罪悪感と、自らの判断ミスが最悪の悲劇を招いたという自責の念に押しつぶされていきました。
そして事件から約2カ月後の2014年10月5日、父親は佐世保市内の自宅で首を吊って自死(自殺)しているのが発見されました。享年53歳。現場に残された遺書には、被害者とその遺族に対する深い謝罪と苦悩が綴られていたと報じられています。