昭和最後の年を象徴するもう一つのエピソードが、「昭和最後のカレンダー」を巡る出来事です。カレンダーや手帳、公的機関の書類などは、通常前年の夏から秋にかけて印刷・製本されます。そのため、1989年用の印刷物はすべて「昭和64年」表記で世に出回っていました。
年が明けてわずか1週間で改元されたことにより、全国の企業や役所では膨大な書類の「昭和」部分に二重線を引き、手作業で「平成」のゴム印を押すという気の遠くなるような修正作業が発生しました。
印刷業界や文具業界も対応に追われ、1月8日以降は急遽「平成元年」表記の新カレンダーやステッカーの増産が行われました。当時回収されずに残った「昭和64年の年間カレンダー」は、現在では激動の1989年を物語る貴重な歴史資料として、レトロマニアの間で密かに保管されています。