1998年1月26日、東京地検特捜部が大蔵省本庁舎への前代未聞の家宅捜索に踏み切りました。これが「大蔵省接待汚職事件」の火蓋を切る決定的な瞬間となります。
捜査のメスは容赦なく入り、銀行局の金融証券検査官ら複数名が収賄容疑で逮捕されました。民間金融機関から数百万円相当に及ぶノーパンしゃぶしゃぶやゴルフなどの過剰な供応接待を受け、見返りに検査日程の漏洩や便宜を図っていた事実が次々と白日の下に晒されました。
司法の場において、起訴された官僚たちには執行猶予付きの有罪判決や追徴金が言い渡されました。しかし、刑事罰以上に社会へ与えた爪痕は甚大でした。捜査の過程で取り調べを受けていた銀行幹部や関係者が相次いで自ら命を絶ち、当時の三塚博大蔵大臣や事務次官が引責辞任に追い込まれるなど、日本の官僚機構は過去最大の危機に直面したのです。